上顎中切歯1本のジルコニアクラウン
上顎の中切歯1本の補綴は、審美的に最も難易度が高いと言われています。
特に周囲の歯がすべて天然歯で虫歯もないような健全な歯の場合は、1本の補綴物が周囲の歯列に色、形態、歯肉の健全性などすべてが調和していなければ、それが作り物の歯だとすぐにわかってしまうからです。
当然、歯科技工士の技量が試されるわけですが、また技工士の腕の見せ所ともいえるわけです。
術前の歯は、神経をとってあるために変色していて、裏側の歯の質が少なくなっているために、ブリーチングもできないためジルコニアポーセレンでの補綴的審美修復としました。
結果的には、1回目の作成で色、形態ともに患者さんの満足が得られましたし、天然歯の特徴も良く表現された補綴物と思います。
治療前の左側中切歯ですが、変色の程度がかなり強いです。
治療後の中切歯部ですが、歯根の変色がどうしても歯肉に反映してしまいます。
術前と術後の比較写真です。