Home > ブログ > コラム > 歯科医が教える正しい歯ブラシの方法

2016.01.05

歯科医が教える正しい歯ブラシの方法

歯ブラシの持ち方について

子供のころから、ちゃんと歯磨きをしているのになぜか「むし歯」や「歯周病」になってしまう、これはなぜでしょうか。

どんなに「良い歯ブラシ」を使ってもしっかりとプラークが除去できていなければ「むし歯」「歯周病」になってしまうのです。

どうすればしっかりと「プラークを除去」できるのか?

まずは下記のように「ペングリップ」で持ってください。

pen

「えんぴつ持ち」と同じ持ち方です

この持ち方にすることで「動き」「力加減」の調整が簡単にできるようになります 。

しかし、ほとんどの方が子供の頃に習った持ち方、下記のような「パームグリップ」でブラシを持って磨いています。

tennis

これでは、まるでのこぎりで木を切るかのように大きく前後に動かして磨く方法になってしまいます。

大きく動かすと歯の平面などの汚れは簡単にとれます。

ところが「歯と歯の間」の小さな隙間にブラシが届かないのです。

大きく早く動くので、肝心な隙間にブラシが当たる前に移動してしまうのです。

名称未設定 1のコピー

 図の〇印の部分に磨き残しが多くなってしまいます。

磨き残しを防ぐには小さく、小刻みにブラッシングする必要があります。

パームグリップでは、主に「肘」を動かして磨きますが、ペングリップは「手首」もしくは「指」を動かすようになります。

小さく、小刻みな運動を行うには「肘」から動かすとなると、とても大変です。

しかし、「手首」「指」での細かい動きは「肘」ほど大変ではありません。

小さく、小刻みに動かすために余計な力をかけないためにペングリップが良いのです。

これを読んだパームグリップで磨いている皆さん、今日から早速変えてくださいね!

 

力加減(あて方)について

歯を磨くのに強い力は必要ありません。

「歯」だけなら、ある程度力がかかってもよいかもしれませんが、「歯ぐき」もあるので、力を入れ過ぎると「歯ぐき」を傷つけてしまう恐れがあります。

歯を磨く力としてはちょうどいいのは「100g ~ 200g」といわれています。

数値では難しいので、もう少しわかりやすく言うと、「ブラシを指に当てて、押し当てたときに少し指が白くなるくらい」、もしくは「ブラシを歯にあてたときに、毛先が軽くしなる程度」です。

先程の力加減がここで関係してきます。

「パームグリップ」で「指が白くなるくらい」や「毛先が軽くしなる程度」とうのは、調整が難しいですね。

そこで「ペングリップ」!!

「手首」や「指」に力を少しいれる、もしくは力を抜くだけでかなり細かな力の調整ができるのです。

磨いて痛ければ力を抜く、または、もう少し磨いたほうがいいかなと感じたら、少し力を抜いてくださいね。

歯ブラシの当て方について

haburasiatekata

上のイラストのようになります

①歯に対して        :90度

②歯と歯ぐきの境目に対して :45度

③前歯の裏側は       :ブラシを立てる

ブラシの長さは奥歯ではだいたい2本分です。

yjimageCAUD3AXM

①と②では2~3本を目安に小刻みにブラッシングしましょう

brush%20(3)

 

③ではブラシの根元に近い部分(「かかと」と呼ばれます)を使って磨きます。

汚れをかきだすように磨いてください。

「毛先が軽くしなる」くらいの力加減で2~3本を小刻みにブラッシングしましょう。

回数としては一箇所15回くらいブラッシングするのが目安になります。

 一ヶ所が終わったら次の歯へ、ブラッシングしたら、また次の歯へと移し、全体を磨いてくださいね。

歯間ブラシやフロスについて

歯間ブラシやフロスによる清掃も行うとさらに良いでしょう。

フロスは入れる際に歯ぐきを傷つけないようにやさしくゆっくり入れてください。

入ったら、歯の表面に糸を沿わせるように上下に動かしましょう。

dental_floss_02

歯間ブラシもほぼ同じです。

入れる時はやさしくゆっくり入ったらあいだをやさしくブラッシングしましょう

回数は歯ブラシ同様15回くらいが目安です。

BBF5B4D6A5D6A5E9A5B7BBC8A4A4CAFDA3B2

しっかり磨こうとすると、とても時間がかかるので、一日一回は、徹底的にブラッシングするようにしてくださいね。

ちゃんとした磨き方を身につけて、健康な歯で毎年過ごせるようにしましょう!