福岡県西地区学会で発表しました
2月18日に福岡県歯科医師会の西地区学会があり、講演をしてきました。演題は「アートスマイル」としました。21世紀の歯科はただ歯の痛みを止めたり、入れ歯を作ったりということが主体ではなく、人々が生涯を元気に豊かに生活していくためのサポーターの役割をすることが重要になってきます。そのひとつに白くきれいな歯並び(審美歯科)を創造していくということがあります。
写真は3年前に「ミュータンス連鎖球菌の臨床生物学」で、歯科界に大きなインパクトをもたらした国立保健医療科学院部長の花田信弘先生で、一緒に講演会が終わっての池田歯科スタッフとの記念写真です。
詳しい講演の内容をお知りになりたい方は、以下の抄録をお読みください。
第49回 福岡県西地区歯科医学会
演題「アートスマイル」― 審美と機能に基づいた素晴らしい笑顔のために ―
歯科医学の究極の目的は、健全な歯列と口腔機能の育成とそれらの生涯維持であることは明白である。そして、徐々にではあるが確実に、齲蝕予防への関心の高まり、患者自身のセルフケアと定期的なプロフェッショナルケアの定着が進んできていると感じる。
それは同時に、より健全で健康度の高い口腔を手に入れたいと考える人たちが増えてきているということにもつながっていると思われる。
いまや、ある程度の健康意識を持つ人たちにとっては、日常生活において口腔内に痛みや腫れがないことはいうまでもなく、『よく噛めてきれいな歯』つまり、『快適に咀嚼できること』と、『魅力的なスマイル』を望んでいることは明らかである。
これは、最近の歯科インプラントの急速な普及とホワイトニングやラミネートベニアに代表される審美歯科の発展を考えると、容易に理解できるであろう。
そしてわれわれ歯科医は修復治療をとおして、そのニーズに対応するのであるが、そこには、審美 Esthetics、機能 Function、構造 Structure、生物学的安定 Biologyという4つの重要な目的があり、そのなかでも難易度の高いと思われる、“審美”、“機能”という要素が真に求められていると心せねばならない。
私たちが、修復治療によりこれらの目的を達成できたときには、たとえそれがアーティフィシャル(人工的)なものであったとしても、私たち歯科医によって手を加えられたアーティスティック(芸術的)なスマイルは人に喜びと感動をあたえ、患者さんは心からの笑顔を見せてくれる。
今回の講演においては、それらを可能にしてくれた近年の歯科インプラント、高強度セラミックス、トゥースホワイトニング、デンティンボンディング等のトピックスにもふれながら、機能的で審美性の高い修復治療をアートスマイルへ導くための臨床的な取り組みについて発表させていただくと共に、審美修復治療を受けられた患者さんのインタビューをとおして、私たちに求められている修復治療について皆様と一緒に考えてみたい。